頑固な生活汚れを化学の力で落とす - 科学まとめ

頑固な生活汚れを化学の力で落とす

生活
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ご家庭のキッチン周りや水周りの汚れに困っている方も多いのではないでしょうか。
特に毎日仕事や子育てで忙しく、年末の大掃除のときにまとめてやろうと考えていると、どんどん汚れが蓄積してなかなか落ちないということも多いでしょう。
実は汚れごとに適切な化学的対処法があります。

汚れを落とすメカニズムとは?

化学的にと言っても、「中和反応」と呼ばれる高校までの化学で理解できるものです。
中和とは、異なる性質を持った物質同士が交わって互いの性質を打ち消し合うことで、
よく知られているものだと酸性のものとアルカリ性のものを混ぜ合わせることで、
それぞれの性質を打ち消しあって中性になります。


例えば、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を用いることで、中和反応が起こります。
中和反応も化学反応の一種で酸性の汚れが別の化合物に変わる、つまりは分解されることで浮き上がってきて、効率良く汚れを落とすことができます。
逆も然りで、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を用いることで効率良く汚れを落とすことができます。


なので、汚れを化学的に理解できれば、その対処法も分かるということです。

代表的なものとして先にも述べたキッチン周りや水周りの汚れを例にとって考えてみましょう。

汚れを落とす具体的な方法1(重曹)

キッチン、特にコンロ付近の汚れはそのほとんどが油汚れになります。
それでは「油」とは化学的にはどんなものか考えてみましょう。
原因となるサラダ油やオリーブオイル、肉の脂などは、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが主成分になります。
その構造に注目してみると、いずれも非水溶性の化学構造にカルボン酸COOHと呼ばれる酸が付いています。
このため、アルカリ性の洗剤の使用が適していますが、経済的に済ませたい場合には重曹がおすすめです。
重曹は炭酸水素ナトリウムというアルカリ性の水に溶ける粉末で、ベーキングパウダーとして料理にも使用されています。

さらに詳しく

ここでもう少し深堀していくと、油は非水溶性で、重曹は水溶性のため、汚れと洗剤が混ざりにくく中和反応が進行しにくいため、中性洗剤や石鹸のような界面活性剤を少し添加してみるのが効果的です。
界面活性剤とは、水溶性の化学構造と非水溶性の化学構造を両方持っているため、汚れと洗剤を混ざりやすくしてくれます。
もちろんこれはキッチン周りの油汚れだけでなく、洋服に付いた皮脂汚れにも効果的と考えられます。

洗剤

汚れを落とす具体的な方法2(クエン酸)

次に水周り、特にシンクや蛇口、鏡などの水垢やトイレの尿汚れを例にとって考えてみましょう。
いずれもミネラル成分由来で、主成分は炭酸カルシウムと呼ばれるアルカリ性の汚れになります。
このため、酸性の洗剤の使用が適していますが、同様に経済的に済ませたい場合にはクエン酸がおすすめです。
クエン酸は粉末の水溶性の酸で、柑橘類に含まれていたり、料理でも使用されていたりします。
クエン酸で中和反応させることで、これらの水垢や尿汚れは効率良く落とすことができます。

最後に

ここまでの話を理解すると、例えば油汚れに効くA洗剤と水垢に効くB洗剤があって、
これらを混ぜた何にでも効くスーパー洗剤は作れないことが分かったかと思います。
(互いの効果を打ち消し合うだけでなく、場合によっては有毒なガスを中和反応で発生する場合もあります)。
汚れと洗剤をそれぞれ化学的に理解して、適したものを用いることで効率的な掃除に役立てましょう

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